氷菓。44回目の徒然。
今年はたくさん作品を観賞したい。
そう思い立ってここ何週間か、以前から観たいと思っていたアニメを片っ端から観ています。その中から今日は一つ、「氷菓」という作品がとても好みだったので、書いてみようと思います。
- 作者: 米澤穂信,上杉久代,清水厚
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2001/10/28
- メディア: 文庫
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この作品は、原作が日常推理物のミステリー小説「古典部シリーズ」をアニメ化したものです。原作の作者は米澤穂信(よねざわほのぶ)さん。アニメタイトル「氷菓」は上記原作シリーズの最初の作品のタイトルです。
私はアニメから観たのですが、アニメ作品としても推理物としても、登場人物のキャラ描写も素晴らしくて、観てよかったと思える作品でした。さすがです。
ストーリーとしては、やらなくてもいいことならやらない「省エネ」が信条の主人公(高1男子)が、本意ではないが入部することになった古典部を中心に、「一身上の都合」により入部したヒロインや、幼馴染の友人たちとともに日常推理に挑んでいくお話です。
ミステリーですが、そこに血なまぐさい殺人は起こりません。けれどヒロインが「気になる」ことを、面倒くさがりながらも解決しようと頭を巡らす主人公がとても魅力的です。謎解きとしても私は満足な作品でした。特に最初のストーリーの「氷菓」の謎については、最後の種明かしを登場人物が口にせず、観ている人間が自分で気付く様な表現にしているところが素晴らしいなと感じました。観ていてその答えが自分の頭に浮かんだ時、実際私の心は震えました。そのシーンの一連の絵も素晴らしい。 後で実写映画を鑑賞し、原作を読みました。映画では違う表現でしたので、原作を読み返したのですが原作の表現はアニメと同様。映画はまた別物と捉えて楽しむのが良いかと思います。
恋愛要素としても、無駄な三角関係がなくて私は好きです。主人公とヒロインは、お互いを少しづつ意識しながらも、今どきの高校生には珍しく歩みの遅い進行度です。自分でもよくわからない感情を持て余し気味の主人公が、ヒロインに時折ドキドキさせられている描写は一つのエッセンスですが、それが観ているこちらも思わず笑顔にさせられます。
私は大抵物語の主人公とヒロインより、それ以外の配役に心を奪われることが多いひねくれものなのですが、アニメの最終話を見終わる頃には、すっかりこの主役の二人が大好きになっていました。シンプルに、この後二人はどうなっていくのかなぁって気になりすぎて、アニメ化されていないものがある原作を購入してしまったほどです。
ちなみに、映画版では、主演山﨑賢人さん、広瀬アリスさんという配役です。高校生に見えない等、賛否両論のようです。少し変更されている箇所もあるので、私はもう違うものとして楽しみました。確かにアニメや原作の方が、好みな部分もありましたが私は割と好きでしたよ。山崎賢人さんの作品はあまり見たことが無かったですが、良い表情をする子なんだなと感じました。面白い演技というか、漫画のような演技をしているのに、映像として違和感がない。暑苦しいのにさらっとしている。不思議な子ですね。人気があるのが頷けます。
さて、今回は有名なアニメ「氷菓」についてでした。つらつらと自分の思いを綴ってしまいましたが、レビューってどう書いていいかわかりません。書くのは苦手ですが、世の中ってレビューだらけなので良く目にしますし、色んな考え、感じ方の人がいるんだなとびっくりさせられたり、共感を覚えたりします。私は好意的なものも批判的なものも面白いなと思って読ませて戴きます。よくレビュー上で喧嘩が始まりますが、誰もがみんな同じ感想を持つはずがないですし、それこそ無粋で無駄なことです。
「省エネ」が一番、だと私も思うタイプの人間なので。 けれど。けれど、私の心の中にも「氷菓」 はあると信じたい。そう、思っています。
拙い文章を、最後まで読んで下さった方、どうも有り難うございました。
またいつか、お会いできる日まで。